研究計画書を書く上でキーポイントになるのが、研究目的。
研究目的は、研究を進めいく上で書くとなります。
しかし、間違った研究目的を立てると、
研究が進んでいく中で自分の首を締めることになります。
今回は、看護研究で失敗しないための研究目的の考え方を紹介します。
Contents
適切な研究目的とは
そもそも適切な研究目的とはなんでしょう??
- 研究期間中に研究が終わる
- 研究環境を踏まえている
- 次に繋がる
研究期間中に研究が終わる
研究期間中に終わること。
当たり前のようですが、これは大前提です。
研究期間が長ければ大きな目的でもいいでしょう。
例えば、1年間の研究期間と半年の研究期間ではできる内容が異なります。
ここでいう期間は、作業できる期間です。
院内研究では、研究計画書の見直しに(上の人の都合で)時間がかかったり、
研究発表の前に抄録や論文の提出が複数回設定されていることがあり、
実際に作業できる期間は想定より短くなることもあります。
そのため、実際の作業期間を確認した上で目的を考える必要があります。
研究環境を踏まえている
一部、上の項目とかぶる部分もありますが、自分たちが研究を行う環境も重要です。
1人で研究することはあまりないかもしれませんが、メンバーの数はこなせる作業量に直結します。
メンバーの構成も注意が必要です。
研究が初めてのメンバーばかりなのか、何度も研究に取り組んだことがあるメンバーなのかによっても
可能な作業量が変わってきます。
他にもどのようなサポートを受けることができるかも要チェック。
- 統計に詳しい人がいるのか
- 統計処理のソフトは使えるか
- インタビュー後のカテゴリー化など特有の処理を経験した人はいるか
など取り組む目的によって異なりますが、経験者のサポートがあれば、
1から取り組むよりも大きく負担を軽減することができます。
次に繋がる
おそらく院内での看護研究の場合には、1年単位でメンバーが変わることが多いと思います。
そのため、毎年、全く違うテーマで研究がされることも。
一方で、翌年以降の研究メンバーが興味をもつような結果であれば、
さらに発展させていくことが可能になります。
研究目的が大きすぎると??
研究目的が大きすぎるとなにが起きるでしょう??
- 研究期間中に終わらない
- 抄録や論文がまとまらない
- 目的と結果がずれる
研究期間中に終わらない
大きな研究テーマになれば、当然、検討が必要な項目が増えます。
項目が増えれば、調査や分析に時間がかかります。
また、単純に項目が増えた分、時間が増えるわけではありません。
同時に調査することで減少する時間もあります。
一方で、各項目の関連を検討する必要も出てきます。
AとBという2つの項目であれば、各項目の検討に加え、AとBの関連の検討だけです。
AとBとCという3つの項目になると、各項目の検討に加え、
- AとBの関連
- AとCの関連
- BとCの関連
- AとBとCの関連
と検討する必要のある関連がどんどん増えてしまいます。
その結果、研究が終わらないということが起こります。
抄録や論文がまとまらない
抄録や論文には、字数制限があります。
院内発表でもあるでしょうし、外部の学会への発表時もあります。
大きな目的にすると、結果も考察も量が増えます。
しかし、字数制限があるため、いろんなところを削る必要が出てきます。
そのため、抄録や論文を作成することができない。
あるいは、無理矢理削った結果、焦点のボケた抄録や論文になる可能性があります。
目的と結果がずれる
大きな目的を立てた場合に起こるのが、目的と結果のズレです。
という目的を立ててた場合、
- Sに対しては〇〇という介入を行った
- Tに対しては△△という介入を行った
その結果、Xを改善させることができた。
となります。
しかし、よくあるパターンとして、
というものです。
もちろん、SとTという問題があるという認識であればいいですが、
そういった前提なく、Tが消えていくのは問題がありそうです。
このような場合には、研究背景でXの構成要素の検討を行った上で、
のような目的の立て方のほうがよさそうです。
まとめ
今回は、「看護研究のテーマの絞る必要性」について紹介しました。
次の記事では、実際にテーマを上げながら、適切な研究テーマの立て方を考えてみたいと思います。